ぐらぐらぐらと揺れる家。
少しずつ
少しずつ
不吉な予感
不安を感じさせる
地響き
ゆらゆらゆらと揺れる家具
・・・・しばらくすると、ゆっくりと止まる
パパが来て、
とまったね、被害もなかったね、良かったねって言ってて、
じゃ、落ち着いてお茶でも飲むかって
今日の夕飯何にしようかって
たわいもない会話をしていると大きな声が
家事だ!!
ああ、地震のあとなんだから二次被害があると思って逃げる用意をしておくんだったと
とりあえずお財布と通帳は持ち出さないと、とか考えてたらパパが
そんなものいいから早く逃げろ!!と
窓の外が真っ赤で
暑くて、熱くて
めらめらと、めらめらと
燃えてく家
ああ、なんて悲しいんだろうと、こんなに悲しいのに、私、何もわかってなかったと
結局、何もわかってなかった、何にも、と
いろんなことと重ね合わせて、できることを頑張るなんてほざいてた自分がちっぽけな存在に思えた
こんなに悲しいのに、何も出来ない自分がいた
なくなるってこういうことなんだ
きえてなくなるってこういうことなんだ
こわいってこういうことなんだ
「悲しい」ってこういうことなんだ
悲しいとこんなに苦しいんだって初めて知る自分に吐き気がした
泣いて、泣いて、悲しくて喉の奥がひーひーして痛くなった
大事なものも全部忘れて、もう、思い出したくないからいなくなってしまいたいと思う自分がいた
さびしい
かなしい
後悔して
希望がない
こんなセカイ、夢ならいいのに、と思い願った
願いながら泣いてたところで目が覚めた。
先日の夜中に起きた地震。ちょうどそのとき、私も地震の夢見てた。
涙が止まらないまま、もう一度目を閉じた。
ただの夢なのに何も出来なかった。
ただの夢でさえ、何も出来なかった。
私にはこんな悲しみを前にして、ただの夢でもかける言葉が見つからなかった。
かけて欲しい言葉もわからなかった。
現実で、私は何も出来ない、できてない。
ごめんなさい、ごめんなさい。
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