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仕事場にある個人使用用のマグカップ。
昔、私も職場に持ち込んで自分愛用のカップを使っていたっけ。
臨時で働いているので、私はマグカップを持っていっていない。お茶するタイミングもうまく計れないし、気がつくと他の事務員さんに淹れてもらっている状態だ。
お客様用茶碗で。
いつか、私の愛用のマグカップがある私が働く場所を見つけたいと、なんとなく、思いました。
死。
あまり目にできるものではなく、身内の不幸に経験がない私には、とても興味深いものでした。きっと娘にとっても。
おばあちゃんは、昔の面影をそのままに、キンキラのお布団に寝かされていました。死後2日目。息子であり喪主である義父は、前の晩はおばあちゃんと一緒の部屋で夜を過ごしたそうです。
でも「付き添われなくてもいいんですよ」と葬儀社の人に言われるそうです。そういうもんなんだなー。
その日の夜にお通夜があるので、おばあちゃんは3時半に納棺となりました。どんな風に御棺に入れられるのだろうと、ちょっとドキドキしました。お姫様抱っこ?!なんて一人で妄想したりして。
おばあちゃんは身内の男性数人で、シーツごと持ち上げられて御棺に入りました。納得。
死に装束。
手甲、脚絆、足袋、草履、白装束。胸には紙のお金を落ちないようにしっかりと挟み込み…昔のお金の(文・もん?)にせものなんですが、三途の川の船の渡し賃なんだそうで必ず入れるとか。
そしてここからが葬儀屋さんの業が発揮されます。
大きい綿(たぶん布団などに使われていそうな)が広げられ「お支度がありますので少々お待ちください」と、その綿をはさみでチョキチョキと切り始めます。長く伸ばしたり細くきったり、丸めてみたり折り曲げたり。鼻とかに綿が詰まってなかったので、今からそれをするのかな?それにしてはでかくないか?!なんて思いながら、遠巻きに作業を見ていました。
「どうぞ」と声をかけられてのぞき込んだ御棺の中のおばあちゃんは真白い綺麗なお嫁さんになってました。
白い綿の着物を着、帯を締め、帯締めをしめ、金の小さなお扇子を胸に差し、その上から綿で作った白内掛けも着せてもらい、足袋、草履も揃いで置かれ、綿帽子もかぶっていました。
ほんとうに本物の綿帽子です。
可憐なお嫁さんが旅立っていく・・・。
悲しさも込み上げましたが、それ以上に荘厳な気持ちで、おばあちゃんを送り出してあげようと思いました。
娘もずっと神妙にしています。緊張もしています。
子供、初めて会った「はとこ」(娘より一つ下の姉と3つ下の弟の姉弟)がいるだけで大人ばかりの空間だし。
だから話し相手は娘にとっておじいちゃん、おばあちゃん、ダンナ、ダンナの弟と私だけ。けれども私以外は親類縁者なわけで、話しかけたり話しかけられたりで、結構忙しい。ゆえに新参者の私は取り残されることも多く、親類の輪を離れて娘とボーっとしていることも多く…(田舎の人は気が回るうえにせっかちな人が多くて働けなかった…)娘がしょっちゅう私に話しかけてきます。
「ねぇ、ママ。ほらあそこにおばあちゃんがいるよ。」
「ど、どこ?」
「あの、ロウソクの火が揺れているところ…」
「だれがいるかなーって見ているんじゃない?こんなにたくさん人が集まって喜んでいるね、きっと。」
「そうかなー。私が来たの、わかってるかなー?」
「たぶんねー。だってひ孫だもんね~、喜んでるよ~だから足をぶらぶらさせたりダラダラしないで」
「えへへ~」
落ち着いて考えてみれば…なんて会話しているんだ…ゾゾゾーーーっと。