ベランダに、何気なくかけてあった針金ハンガー。
ひとつ、またひとつと消えてなくなっていった。
最初は気のせいかと。
ある日は不自然にベランダの欄干に置いてある。
落ちてくる場所もなく、ましてや飛んでくることもないはずの場所に、ぽつんとおかれる針金ハンガー。そしてそれもいつの間にか無くなって。
最後の1本が無くなって、これは絶対におかしいと思ったそのとき、
「かぁぁぁぁーーーー」
と向かいのベトナム寮の屋上で甲高く鳴くからすの声。
犯人は君だったのか…と納得。
引っ越してすぐ、洗濯物を干そうとベランダに勢いよく出てみたら、欄干にからす。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!」
と雄叫びをあげた私にからすが驚いて欄干から落ちていった(からすの身体が見事に壁の向こう側に頭から落ちて行き、数秒後、飛ぶのを思い出したのか必死に飛んで逃げていった)のを境に、うちのベランダには近寄らなくなったと言うのに、私がいない隙を狙って忍び込んでいたとは。
前はよく糞が落ちていたものだけど、最近はその落し物でさえないから、からすはからすなりに気を使って忍び込み、ハンガーを失敬しているらしい。
プラスチックハンガーはお気に召さないらしく、全部無事。
ほー。
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