娘が熱を出しました。弱っている娘を見て、やっと「生きる」感覚を思い出しました。
ゆうべ、伯父が亡くなりました。
父がベッドに拘束され続けています。両手と、身体と。
そんな父に、伯父が亡くなった事は、言わずにいようと、母と、そして弟と、電話して淡々と、当たり前のように決めました。自分の兄の死を知らされぬ父。
母の具合がよくありません。
父と一緒にいてあんなに苦労していたのに、いなくなると…、いなくなったで結局いろんなことを背負いこんで、父の不憫を泣いています。
弟とは年子で、異性で、性格も、成績も、学校も、嗜好も、仕事も違うため、10代の頃からほとんど一緒にいませんでした。同じ家にいて、ずっとすれ違い。
20歳の頃、ホンの一瞬、異常に仲良くなって、一緒に美容室に髪を切りにいったり、洋服を買いに行ったり、ベタベタしていた時期もあったのだけど、今思い出すと結構気持ち悪い。
なのに父が倒れてから、ここ20年のすれ違いを埋めるように会ったり電話したり。理解できないことは、弟と私の共通の話題だったりするから可笑しい。父と母のこと、弟と少し話すだけで同じことを考えているのがわかるから可笑しい。不思議。
でもキモイ。
キモイけど可笑しい。
私には、悲しいはずのことが悲しくない。
母の気持ちもわからない。
距離を置いて、自分の気持ちを落ち着かせるしかなく、でも距離を置いたからといって、母の気持ちは理解できない。どうしてだろう、なぜなんだろう。
娘がハァハァいいながら寝ているのを見て、弱々しい姿を見て、かわいそうで泣けてくる自分を発見して、死んだらどうしようと本気でオロオロして、ハタと気がついて。
「死」なんてどうでもよかったのは、たぶん面倒だっただけでどうでもよくなかったんだなと。
血縁とか、「フザケンナ」っていうくらいその繋がりがよく分からなかったんだけど、なんとなく、わかんなくっても繋がっているもんは繋がっちゃってるんだし、どうにもならないし、繋がってるから理解できるとか関係なくて。それに母がこんなにも遠い存在だなんて思ってもみなくて、理解できないと思っていた弟と理解できる日がくるなんて思ってなくて、不思議なことが起こるのだなぁと、ただ単純にビックリ。
どうでもいいことが悲しくて、悲しいはずのことが悲しくなくて、どこかおかしいんじゃないかって悩んでいたことも。
全部=「生きてる」
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