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「ママーママー」
「何?」
「………なんでもない」
そんな風に、用があってもなくても、いつでもどこにいても、娘は私を常に呼ぶ。
呼ぶのはいい、叫ぶより。
遠くから叫ぶのは止めなさいと言っているから、近くに来て、呼ぶのなら構わないと言っているし。
(大声は自分が出せないし聞くのも嫌いだから)
”常に呼ばれる”ことには若干イラッとするけど、これは私の感情だから、理解できないだろう、娘には、まだ。
だから百歩譲って、娘だし、用事があるなら許そう。
でもほとんど用事なんてない。
そのうち「何よ!なんか用?!」と呼ばれるだけで怒鳴ってしまって、これはまずいと娘と話しあった。
「”狼少年”って知ってる?」
「知らない」
「ある少年がね、狼が来たぞ、羊が食べられちゃうぞーって、村人に嘘ばかりついてたの。
村人は嘘を信じて、大変だ、羊を隠さないと!って毎回慌てるんだけど、狼は出てこないの。
何回も繰り返されて、そのうち少年が面白がっているのを見て少年が嘘ついてるんだって村人が気がつくの。
それで少年のことを誰も信じなくなるの。
ある日本当に狼がやってきて、少年が一生懸命”狼が来たから逃げて”って教えるんだけど、嘘つき少年だって思ってるから誰も少年を信じなくて、羊がみんな狼に食べられちゃうって話。」
「へぇぇ」
「あなたが用もないのにママを呼ぶのは狼少年と同じだと思わない?
いつもいつも用もないのに呼んでたら、ママは呼ばれるのが嫌になっちゃう。
本当にすぐ来て欲しい、って思ったときだけ呼ぶほうがお互い気持ちいいと思うんだけど。どう思う?」
「分かった、気をつける。でも…」
「でも?」
「狼少年、自分で読んでみたい。」
「OK♪」
というわけで一件落着。
ところが!!!!
その後図書館で「狼少年」で検索して出てきたのが「サキ短編集」の「狼少年」。
読んでみたらまったく話が違う。
昼間は人間の格好をしていて、夜になると狼に変身、家畜や人の子をさらって食べてしまう、
ほんとの意味での狼少年。。。
あれ???検索を間違ったかしら?これはこれで面白いけど…(苦笑)
そんなわけで、「狼少年」探しは続いているわけなのでありますが…
その後娘ったら
「ママーママー」
「何?」
「だーいすき♪」
と返すようになり、結局私を呼ぶ回数は減っていないのでありました(T_T)